ーー『Lond』を創業したきっかけを教えてください。
甲斐さん:Londは、専門学校時代の同級生6人で創業しました。
1年生の頃から「いつか一緒にお店をやろう」「せっかくやるなら日本一を目指そう」と話していたのがきっかけですね。
斉藤さん:専門学校を卒業して「将来一緒にお店をやるなら、どこでどんな経験を積むのがいいか」を考えた結果、それぞれが別々のブランドサロンに就職しました。
各自が経験を積んで実力を磨いたあと、再び6人が集まり、2013年にLondを立ち上げました。
ーー1号店は銀座に出店していますが、銀座を選んだ理由はありますか?
斉藤さん:当初は銀座ではなく、表参道に出店するつもりでした。僕らは「美容室=表参道」と思っていましたが、あるとき「そう思っているのは美容師だけでは?」と気づきましたね。
お客様にとって日本で一番の街は表参道ではなく、新宿や銀座かもしれないという意見が出てきました。
最終的に「お客様にとって通いやすく、信頼される場所」として銀座を選びました。
実際、銀座でオープンした1号店が好評で、その流れで次の店舗も銀座に出しています。スタッフの働きやすさや連携を考えると、1号店の近くで店舗を増やしていく方がいいという判断になりました。
また1号店を成功させた後だったので、2号店では絶対に失敗したくないという思いもありましたね。そうした理由から、自然と銀座に5店舗を展開しています。
ーーLondグループは現在84店舗ありますが、出店エリアはどのように決めていますか?
斉藤さん:ここ5年くらいは、乗降客数を重視しています。
僕らは、ブランディングと店舗拡大の両方を意識しています。
美容室という業態は店舗拡大していくと、どうしてもチェーン店のように見えます。
ブランドを担保しながら店舗拡大するには、エリアの選定が重要です。
店舗ビジネスにおいてブランディングを決める要素は、どこにあるのか・どんなお店なのかの2つです。
もちろん、サロンで働く美容師や施術のクオリティも大切ですが、それ以上にどのエリアに店舗があるかが重視されます。例えば新宿に10店舗あるのと、新宿に1店舗で小田急線沿いに9店舗あるのとでは、後者の方がどうしてもチェーン店っぽく見えてしまう。
なぜなら後者の場合は、各駅停車の駅に店舗が多いからです。
今は乗降客数の多い駅を上から順に選んで、そのエリアでどれだけ店舗が増やせるかという考え方をしています。
その結果、Londではターミナル駅周辺にしか店舗がありません。
ーーLondではPOSレジ『Salon de Net(サロンドネット)』を導入していますが、エリア分析機能は使っていますか?
甲斐さん:錦糸町に出店したときに、エリア分析を活用しましたね。
錦糸町店をオープンしてから「どのエリアのお客様が多いのか」を把握するために、Salon de Netでお客様の住所データをもとに分析しました。
分析の結果、錦糸町の中でも「この地域からの来店が多い」という傾向が見えてきて、そこに重点的にポスティングを行うようにしました。
代表6人でエリアを分担し、それぞれ地図にマーカーをつけて、「この色は誰が担当」「このエリアの反応が良かった」といった形で細かく管理していましたね。
また、住所データを見ていく中で「このエリアの方はこの沿線やバスを使って来ているんだな」といった交通の動きも分かってきました。
エリア分析で分かった情報をもとに「じゃあ次はこの沿線の先にもポスティングしてみよう」と判断していましたね。
ーーLondではアイラッシュ事業も取り組んでいますが、参入理由はなんでしょうか?
斉藤さん:もともとLondを立ち上げた時から「いずれは別の事業にも挑戦したい」という気持ちがありました。
美容室を展開しながら、ネイルやエステ、脱毛などさまざまな業種を調べていく中で、最終的に「まつエクはいける」と判断したのがきっかけです。
その頃は、まつエクの施術には美容師免許が必要になり、経営者も管理美容師の資格が必須になった時期でした。
ルールが変わる以前は、免許や資格がなくてもお店を出せる状況でした。
そのため当時のまつエクサロンには、美容師ではないオーナーも多かったです。
そういったお店を見ていく中で「美容室の基準でやればもっと良いものが作れる」と感じました。
実際、当時のまつエクサロンは料金が判断基準になっていて、雰囲気やデザインも似たようなところが多かったです。
そこに美容室と同じクオリティを持ち込めば、必ず勝負できると考えました。
内装やスタッフのビジュアル、撮影、名刺などにも徹底的にこだわりました。
スタッフ全員をプロのカメラマンに撮ってもらい、制服を作り、営業許可証や経営者の顔も公開して信頼感を出す。
そういった美容室の当たり前をアイラッシュ業界に持ち込んだことで、大きな反響につながりました。
ーーアイラッシュならではのPOSレジの活用方法はありますか?
甲斐さん:メニュー比率の分析をよく行っています。
例えば、まつエク・まつ毛パーマ・アイブロウ・トリートメントなど、それぞれの比率を見ながら「今はどのメニューを強化していくか」を判断します。
また、スタッフごとに注力するメニューを決める際にもデータを活用しています。
例えば先輩スタッフがまつエクを得意としているなら、若手はアイブロウを伸ばすといったように、チーム全体でバランスをとる形ですね。
数字を見ながら方向性を決めるのは、アイラッシュならではの特徴かもしれません。
ーーSalon de Netを導入した理由を教えてください。
斉藤さん:他のPOSレジに比べて、Salon de Netが一番分析機能が充実しているからです。
独立前に使っていたPOSレジだと「欲しい情報が取りきれない」というもどかしさがあり、もっと細かいデータが見たいと思っていました。
管理画面のデザインは少し無骨に感じた部分もありましたが、慣れれば全く問題なかったです。
甲斐さん:たしかに、ちょっと無骨だよね。笑
ーー導入後の印象とサポート体制はいかがでしょうか?
斉藤さん:導入してから感じたのは、必要な機能をどんどん作ってくれるスピード感があることです。
Londのように店舗が増えていくと、見るべき数字や欲しいデータが変わりますが、その都度「こういう機能が欲しい」と伝えるとすぐに対応してもらえます。
成長フェーズに合わせて、機能を追加してくれるのは本当に助かっています。
ーーありがとうございます。弊社は自社開発をしているので、開発のスピード感には自信があります。
甲斐さん:あと問い合わせサポートが手厚いです。
困ったことがあったら「とりあえず相談しよう」と、すぐに連絡しています。
正直「どこまでがハイパーソフトの範囲なんだろう」と思いながらも、どんな相談でも親身になって対応してくれるのが嬉しいですね。
ハイパーソフトはサポートの距離感が近くて、気軽に困ったらすぐ相談できるので助かっています。
ーーSalon de Netの分析で特に重視している数字はありますか?
斉藤さん:僕の中では6つの指標しか見ていません。
①新規率
②非指名率
③新規リターン率
④総リターン率
⑤時間単価(客単価÷滞在時間)
⑥生産性(月間売上÷スタッフ人数)
この6つを見れば、店舗の現状と課題はほとんど把握できます。
ーー非指名率をチェックするのは珍しいですね。
斉藤さん:そうですね。実は「非指名率」も重要ですよ。
Londでは指名のお客様に対して歩合が発生しますが、フリーのお客様には指名料がつきません。
スタイリストにとっては指名客が多い方がいいかもしれませんが、経営的にはフリーのお客様もいないと成り立ちません。
非指名率が下がると、アシスタントの人件費をまかなえる余裕が減ってしまいます。
またフリーのお客様がホットペッパー経由が多いため、非指名率が下がるとホットペッパーの集客が減っているサインになります。
つまり“経営のアラート”としても使えるんです。
ーー6つの指標以外は見ないんですか?
斉藤さん:その他の数字はあまりチェックしません。
なぜなら細かい数字を見れば見るだけ混乱するし、指標同士が連動しているものも多いからです。
例えば、人時生産性と生産性なんて、どちらも似た動きをするので両方見る必要はありません。
そうやって整理していくうちに、6つの指標に絞り込まれました。
もう12年やってきましたけど、正直この6つの指標だけで経営は完結しています。
ーー甲斐さんはSalon de Netの活用で工夫していることはありますか?
甲斐さん:僕は、数字の見せ方を意識しています。
例えば失客率を見るときも、スタッフに対しては単なる数値ではなく失客リストを出しています。
「あのお客様が来なくなった」と具体的にイメージできれば、スタッフが「自分の接客はよくなかったのか?」と考えるきっかけになります。
失客をより具体的に感じてもらうために、あえて失客リストを見せるようにしています。
ーーその他に利用している機能はありますか?
斉藤さん:時間分析機能を利用しています。
最近も店舗の営業時間をどうするかを決める際に活用しました。
予約が入っている時間帯をデータで可視化して、「この時間帯は売上が立っているから短縮しない方がいい」といった判断をしています。
現場からは「少し早く帰りたい」という声が出るんですが、感覚ではなく数字をもとに説明できるのは大きいですね。現場にとって不利な指示を出すときに、数字を根拠に説明できるのは、経営者としてもかなり役立っています。
また、スタッフが本部所属の社員になったり、固定給に切り替わるタイミングでも活用しています。個人ごとに曜日別の売上データを分析して「これくらいの実績だから固定給はこの水準で」といったように、給与設定の根拠としても使えるんです。
エビデンスを示して説明することで、納得感のある形にできると思っています。さらに、時間帯ごとの動きを見ることで、来店が少ない時間帯も把握できます。
来店が少ない時間帯には、限定クーポンを出すなどの施策にもつなげています。
ーー電子カルテ『VCA Wallet』も利用していますが、いかがでしょうか?
甲斐さん:電子カルテを導入して、スタッフの売上・数字に対する意識向上につながっています。
VCA Walletはスタッフが手元のスマホから、自分の売上やランキングを確認できます。
自分が今グループ内で何位なのか、店舗が全体でどの位置にいるのかがリアルタイムで分かる。結果として、数値意識の向上にもつながっています。
またお客様の情報を記入できる接客メモ機能も使っていますね。
担当スタイリストだけでなく、アシスタントも含めて全員が接客メモを書くようにしています。スタッフ全員でお客様の情報を共有して、接客に活かしています。
ーー今後の店舗展開について、どのような展望をお持ちですか?
斉藤さん:目標は、業界で年商1位を目指すこと・300店舗の展開の2つです。
そのためには、毎年出店を続けながら、その先の成長をどう描くかがポイントだと思っています。
一番の鍵になるのは「採用」です。
なぜなら、美容室経営は採用率と離職率で決まるからです。
離職率を一定でキープできていれば、会社としては安定して成長できます。
ただ、採用が追いつかなくなると一気に成長が鈍化してしまう。もし離職率が低くても、採用率が下がれば会社の規模は伸びません。
社員が1,000人いたとして、離職率10%なら100人辞める。そこに100人しか入ってこなければ横ばいですし、200人採用できれば一気に成長する。
結局、採用と離職のバランスをどう保つかが経営を左右します。
Londは離職率7%と、離職が少ないため、採用の数を増やしていくしかありません。最近は美容師を目指す学生が減ってきていて、採用の難易度がどんどん上がっています。だからこそ、危機感を持って採用に取り組まなければいけません。
僕らも先を見据えて『Lond lab』(https://www.lond.jp/salon/68/)というアカデミーを立ち上げました。
場所・立地にもこだわって、今後の採用に活かせるような先行投資としてチャレンジしています。
ーー人材確保が今後の成長の鍵になるということですね。
斉藤さん:そうですね。結局、これまでお話しした6つの経営指標も人ありきなんです。
人がいてこそ、その数字が成り立ちます。
これまでは人が自然に入ってきていたからこそ、6つの指標を追っていればよかったです。
でも、これからは「採用率と離職率」をどう維持していくのかが重要になっていきます。
ーーSalon de Netを検討しているサロンへメッセージはありますか?
斉藤さん:Salon de Netは、分析が強いというのが一番の魅力です。
会社を経営していくうえで、目標や財務指標、会計管理といった部分をしっかり見ていくことは非常に重要です。
売上が上がった・下がったという結果だけではなく、その原因を数字で把握できることが経営の要だと思っています。
その点、Salon de Netはまさに美容室の健康診断のような存在です。
体調が悪いときに原因が分かれば、改善も早いですよね。
経営も健康診断も、数字の異変を早い段階で見つけることができれば、手遅れになる前に打ち手を打てます。
だからこそ、日常的に数字を追って分析していく習慣が大切で、それを実現できるのがSalon de Netだと思います。
甲斐さん:僕らはもう12年間Salon de Netを利用してきましたが、間違いなくLondの成長を支えてきた存在のひとつです。
しっかり経営を考えるなら、とにかく導入した方がいいと思います。それくらい信頼できるツールです。
斉藤さん:POSレジは、会社経営において本当に重要なものです。
だから、もし価格だけで他社のPOSレジを選ぼうとしているなら、それは間違いです。
経営の判断を安さで決めてしまうのはリスクが大きい。
自分たちがどんな会社を目指すのかを明確にしたうえで、その目標に必要なツールを選ぶべきです。
本気で経営をしていきたい人にとっては、Salon de Netが最も適したシステムだと思います。
Salon Data